同じ血だけども…

まだ雪が本降りになる前の日。

「とにかくスッキリしたい」
という思いでお越しくださったのは
安定期に入られたばかりの妊婦さん。

少々お顔の血色が悪く
どことなく気怠そうな雰囲気。
全身にむくみを感じていて
胃のムカつきと胸焼けと
食べつわりを乗り越えたばかり。

身体の水分量が著しく不足気味
消化器系の働きが衰弱
血の巡りも滞り気味で
排出されるべき老廃物が体内に滞り
それがまた身体の冷えを招いてしまっている。

といった点を施術で感じられたため

とにかく
身体の中(内臓系)から
血を巡らせるようにして
赤ちゃんのいる胎内環境も温めつつ
溜め込んだ老廃物が排出されやすいように。
そして、つわりをグッと耐えて
常に力んでいた首肩周りの緊張を緩め
しっかりと呼吸ができるように
全集中して施術させていただきました。
(全集中て使いたいだけ。笑)

そもそも人が
食べた物を消化するためには
胃や腸に大量の血液が必要です。
また、血液中に取り込まれた栄養分を分解して
肝臓に蓄えるためにも大量の血液が必要です。

ですが、妊娠中のからだの血液は
妊娠前に比べて違う点があり
食べた物を消化する働きが
少々弱い状態だと思います。

子宮が大きくなることによって
他の内臓を圧迫することも
消化機能の不調原因のひとつですが。。


妊娠中のからだを流れる血液量は
妊娠前に比べて約1.4倍にもなります。

だいたい4000ml⇒5500mlに増加しますが
妊娠前の血液と比べて
血液成分の割合が全く違います。
血液中の水分は約1.5倍になるけども
赤血球量は約1.2倍。
つまり水っぽい血液というわけです。


濃度が薄くて水っぽい血液になるのは

●胎内の赤ちゃんに栄養と酸素を運びやすくする
●出産時の出血で、赤血球が大量に出てしまって
貧血になったり、血圧が下がってしまわないように備える 


と、赤ちゃんとお母さんの命を守るため。


つわりが酷い妊婦さんや
むくみが酷い妊婦さん
頻尿や残尿感が気になる妊婦さんは
水分を控えてしまう方が多く見られますが…

妊娠中は、赤ちゃんとお母さん
2人分の血液が必要となり
その分水分を摂らなくてはいけない。
赤ちゃんの発育のためにも
子宮に血流を促さないといけないから
赤ちゃんとお母さん
2人分の水分量が必要になります。

水分をいつも以上に必要とする妊娠中に
水分の摂取不足の生活していると
本能的に身体が守ろうとして水分を溜め込み
全身のむくみを招いてしまいます。
そして、消化機能にも影響を与えてしまいます。
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妊婦中のからだの様々な変化は
生きるための潜在能力が
存分に発揮される時。
生きるために
頼もしく力強い適応のための変化
たくましい生命力の開花!

そういう風に視点を変えてみて
からだの違いを感じて
赤ちゃんの成長を感じて
楽しみながら過ごしてほしいと願います。